ジェフリー・ディーヴァーのリンカーン ・ライムのシリーズ最新作、12番目のカード (文春文庫)。2006年9月にハードカバー本として文藝春秋から出版されたものが、3年半経ってようやく文庫化。最初から文庫で出してくれればいいのに。
さて、今回もリンカーン・ライムの推理が冴えわたる。ちょっと冴えわたり過ぎて、スムーズに事が進みすぎの感すらあるぐらいだ。ま、それはいつものこと。それでも最後に予想だにしない意外な結末を用意してくれているのもいつも通り。
ただ、今回は140年前に起きた事件と絡めているのだが、それに絡めているページ(しかも結構なページ数)がちょっとテンポを悪くしているように感じた。
さらに、今回の事件の発端となった被害者の女の子に感情移入ができない。いわゆるガリ勉君で人間味がなくて。そうなった理由も明らかにされるのだが、そうは言ってもイヤな奴であることには変わりがなく。
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