2011年1月16日日曜日

ロミオ ロバート・エリス著 (ハヤカワ文庫)

この作品は面白いのか面白くないのかと問われば面白いと答える。だが、私はこの作者の作品はもう読まないつもりだ。ついうっかり買ってしまわない限り。

この作品の最大の欠点は、ディテールに欠けるためリアリティがないところだ。特に警察小説の場合は、現実社会を舞台にしているので、ある程度のリアリティを持たせないとインチキ臭くなってしまう。この作品のように。

例えば、最初に起こる事件では、壁や天井にまで血がほとばしり、刑事でさえ足を踏み入れるのをためらうほどの凄惨な殺人現場だと言ってるのに、殺害方法はちっとも凄惨ではなく刺し傷が二つあるだけ。作者はナイフで刺すと、安っぽいB級映画のように血が噴水のように迸るとでも思っているのだろうか。

フィクションであるがゆえに、ディテールを詰めないと荒唐無稽な話になってしまい、まさにフィクションとなってしまう。スティーブン・キングのモダンホラー作品が、現実的にありえないような状況を描いていながら、真実味があるのはディテールにこだわって書いているから。

本作では、甘い描写やリアリティに欠ける状況が相次ぎ、そのたびに興を削ぐ。ストーリー自体は面白いし、二つの無関係な事件が絡み合っていくところはよく出来ているのに惜しい。

追記
あと、ひとつこの本について喜ばしくないことがあるのを思い出した。

私は文庫本に本屋のカバーはつけない。本屋で買ったままの状態で電車の中でも読む。人にどんな本を読んでるのか見られても恥ずかしくない本を読んでるつもりだしね。

でも、この本だけはカバーをつけた。というのも、この本の表紙は、以下のようにハーレクイン文庫の本みたいなデザインなのだ。いい年したオッサンがロマンス小説かよと思われるのが怖いもの。

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