最近、「真実の物語」というキャッチコピーを使っている映画の宣伝が非常に増えてきて目障りだ。どこの誰が始めた愚行か知らないが、今すぐにでもやめてもらいたいものだ。
なぜ「真実の物語」が目障りなのか。
「真実の物語」では実際にあった話という意味にならないからだ。
「真実の物語」は、「ウソが語られたが、その真相を語る物語」というような意味になる。もちろん実際にそういう映画ならば構わない。新聞やテレビの報道とは異なり、真相はこうだ!本当はこういうことが起きていたのだ!みたいなドキュメンタリー映画では使えるだろう。
しかし、実話に基づく映画という意味で使いたいのならば、それは間違いだ。
知らない人のことを独断や偏見で決めつけてしまうのは良くないが、怒りのあまりついうっかり決めつけてしまうことにするが、おそらくこれを作ったコピーライターは読書もせずに育ち、言葉のニュアンスの違いを習得しておらず、間違えているということも認識してない若者なのだろう。(どうだ、独断と偏見に満ち満ちているだろう?)
もしかしたら、そのコピーライターは、実話という言葉に暗いイメージを感じたのかもしれない。(これは確かにある。軽い映画に実話というキャッチフレーズは重々しすぎて似合わない。でも「本当にあった話」とか、「実際にあった話」とかだったら良いじゃないか。)
あるいは人と違う単語を使って目立ちたかったかもしれない。(目立つのはいいけど、間違えちゃいかんね。)
あるいはもっと単純に、英語のキャッチコピーに書かれている「based on a true story」を誤訳してしまったのかもしれない。(英語のtrueには、確かに「実際の」という意味のほか、「真実の」という意味があり、日本語のように「実際の」と「真実の」という言葉を区別していない。でも、英語でも、true storyという用法では、「真実の物語」ではなく「実際にあった話」という意味になる。)
あるいは、週刊実話のことが頭をよぎって実話という単語にうさんくささを感じたのかもしれない。(その雑誌の出版社には申し訳ないが、そんな雑誌を読んでるほうが悪い。)
言葉を自由に操る性格をもつ職業とはいえ、コピーライターも広義では文筆業。世間に発表する以上、言葉の誤用はやめてもらいたい。また、配給会社も、広告代理店に丸投げではなく、キャッチコピーがおかしいと思ったら直させるぐらいの仕事をしたらどうなのか。間違えていようと目立てばいいってもんじゃないだろう。
最後に、広辞苑から引用。
実話
【意味】実際にあった話。実際にあった話をつづった読物。
真実
【意味】うそいつわりでない。本当のこと。まこと。
【用法】真実を語る。真実のない話。言葉だけで真実が感じられない。
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