リガの犬たち ヘニング・マンケル著

2010年8月8日日曜日

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随分前に読んだのだが、書くのが遅くなった。今回は、ヘニング・マンケルのスウェーデン警察小説、『リガの犬たち (創元推理文庫)』。

スウェーデンを舞台とした警察小説というと、私の年代だとマイ・シューヴァルとペール・ヴァールーが共著した『笑う警官 (角川文庫)』などのマルティン・ベック警部シリーズが思い浮かぶ。もう40年近く前のシリーズなので、知らない人も多くなってきただろうが、名作シリーズなので、未読の方は一度読んでみることをオススメする。

このヘニング・マンケルのクルト・ヴァランダー警部シリーズも、マルティン・ベックに負けず劣らずのかなりの名作シリーズだ。マルティン・ベックのシリーズもクルト・ヴァランダーのシリーズも、アメリカの警察小説のような派手さは皆無だが、読み応えがある。

クルト・ヴァランダーは、仕事という意味では優れた警部だが、プライベート面では精神的にもろいところがあり、父親ととげとげしい関係を持っているうえ、娘とはぎくしゃくした関係を。しかも、離婚の傷を乗り越えておらず、仕事で出会う女性をすぐに好きになってしまう。

そういう問題を多く抱えた人物を主人公に据えているところが物語に深みと真実味を与えているのだろう。

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