スウェーデンを舞台とした警察小説というと、私の年代だとマイ・シューヴァルとペール・ヴァールーが共著した『笑う警官 (角川文庫)
このヘニング・マンケルのクルト・ヴァランダー警部シリーズも、マルティン・ベックに負けず劣らずのかなりの名作シリーズだ。マルティン・ベックのシリーズもクルト・ヴァランダーのシリーズも、アメリカの警察小説のような派手さは皆無だが、読み応えがある。
クルト・ヴァランダーは、仕事という意味では優れた警部だが、プライベート面では精神的にもろいところがあり、父親ととげとげしい関係を持っているうえ、娘とはぎくしゃくした関係を。しかも、離婚の傷を乗り越えておらず、仕事で出会う女性をすぐに好きになってしまう。
そういう問題を多く抱えた人物を主人公に据えているところが物語に深みと真実味を与えているのだろう。
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