タランティーノ監督が、「ダンケルク」の時間が逆行していることに気づいた、と以下のインタビュー記事で語っているので、本当か?と思ってU-NEXTで鑑賞。たぶんこれが3回目の鑑賞。
クエンティン・タランティーノ、『TENET』を観た感想は「もう一度観る必要がある」 | THE RIVER
「『ダンケルク』は3回目を観るまでは本当に理解したとは思えませんでした。最初に見たときは、どう判断するべきかも分からなかったんです。もちろん楽しむことはできましたけど、あまりにも大きな体験だったので、映画であることさえ認識できていなかったかもしれません。3回目を観たときには、彼らが常に時間を遡っていたことにやっと気付いたほどです。つまり、あまりにも衝撃的な体験だったので、少なくとも2回は観たのですが、3回目にしてついに理解することができました。」
逆行しているという前提であらためて鑑賞すると、前2回では気づきませんでしたが、本当に時間が逆行しているではないですか。ダンケルクの海岸から脱出するまでの過程を描いている単純な映画ではなかったんですね。過去に起きたことを後から描いており、ノーラン監督らしく時間軸が複雑に絡み合ってます。
インタビュー記事を読んだあとにぐぐって、以下のブログを見つけました。時間軸が3つあることが図説されており、これも「ダンケルク」の時間軸の理解に役立ちました。ただし、実際にはそれぞれの時間軸の進行速度が異なるだけでなく、それぞれの時間軸が逆行するという複雑な構成になっており、図で説明するのは無理ですね。
【映画】「ダンケルク」の時間の流れを図説 | GO to ATAMI
4年前の映画なので、もうネタバレしても大丈夫だと思いますが、一応念のため言っておきますが、以下に書く主な逆行シーンはネタバレです。
- レジャーボートが転覆した船の上からキリアン・マーフィを救出しますが、その後のシーンでキリアン・マーフィが転覆する前のことが描かれます。
主人公の兵士が最初に乗った軍艦が転覆し、泳いで手漕ぎボートに辿り着きますが、そこにキリアン・マーフィが乗っており、2回転覆させられた(おそらく魚雷により)が、この後船を乗り換えると喋っています。その乗り換えた船がまた魚雷で沈没させられて、レジャーボートに救出されるわけです。つまりキリアン・マーフィは3回も魚雷で攻撃されているので、ショックで精神状態がおかしくなっているわけです。キリアン・マーフィの精神が特別に脆いわけではなく、何回も魚雷にやられた恐怖が原因なんですね。 - イギリスの戦闘機が墜落して着水するシーンは2回ありますが、どちらも同じ飛行機です。二回目の着水シーンは、最初の着水シーンを時間を遡って詳細に描いたものです。
- トム・ハーディの視点で、海で転覆している商船のシーンが何回か出てきますが、どれも同じ船です。そして、この商船こそ、後に主人公がスコットランドの連隊ハイランダーズと共に海岸で乗り込むものの、沈没してしまう船です。
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