ピラミッド 5000年の嘘 (2010 フランス)

2012年3月5日月曜日

映画

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★★★★

エジプトのギザのクフ王のピラミッドの謎を、文系の考古学者ではなく、物理学などの理数系の学者が見ると色々なことが分かるというアプローチで、ピラミッドの謎を世界各地の巨石文化の謎とかけつつ解明を試みたドキュメンタリー作品。

この映画観て知ったことで一番驚いたことは、ピラミッドは正方形の四角錐であり、上から見ると、左の図のように見えるという常識が真実ではなく、実際には右の図のような8角錐というのか、9面体であるということ。

もちろん下の図は、分かりやすくするためにかなり誇張して描いている。


だが、このような形であることは、左のGoogle Mapsの衛星画像でも、確認できる。

これはクフ王の大ピラミッドの画像だが、左側面の真ん中にうっすら筋が入っていることが分かる。右側面は角度的に見えにくいが、同様にかすかに線が見える。





映画の中で取り上げられていたクフ王の大ピラミッドに関する常識で、真実ではないことが簡単に説明できることをここでも取り上げてみよう。

一般にクフ王のピラミッドは、20年かけて建てたとされている。現代人の感覚ではかなりの長期間であるように感じるかもしれないが、実は20年なんて短期間で建造することは不可能であることは単純な計算で分かるのだ。

では、まず20年を分数にしよう。
20年×365日×24時間×60分=10,512,000分

Wikipediaによると、クフ王のピラミッドには270~280万個の石が積みあがっているというので、
この分数を270万で割る。

10,512,000分÷2,700,000=3.83分

そう、建設期間に20年しかかかってないというのならば、何トンもある石を削り出し、近代工具もないのに四角に形を整えたうえで、ギザまで運びそれを積み上げるまでに4分かかってないということになるのだ。(映画の中ではもっと短い分数を言っているが、それは個数がもっと多いという計算に基づくのだろう)

copyright:Sacred Sites
そんなことは現代の技術をもってしても不可能であることは火を見るよりも明らかだ。なにしろクフ王のピラミッドはこんなに巨大なんだから。なぜ今まで誰もこのことを指摘しなかったのか。

では、なぜ20年という建造期間であるとされたのか。

それはピラミッドがクフ王の墓であるからにはクフ王が在位してから建設が始まったはずであるという、なんの根拠もない推理に基づいているからだ。通説とされているのが、科学でもなんでもなく、実はただのトンデモ説だったのだ。

ということは、このピラミッドはそもそもクフ王の墓ではないということになる。もっともっと長期間、たぶん数百年という単位で作られた「何か」なのだ。

吉村作治教授が、ピラミッドは墓ではない、エジプト繁栄のための公共事業なのだという説を唱えているが、少なくとも墓ではないという点では当たっていると思う。

未だに墓説にしがみついているエジプト考古最高評議会事務局長のザヒ博士の言っていることは、ミイラが発見されてないとか、そういうこと以前に建設期間を考えれば、まず間違いなく誤りだろう。

なんて話には、この映画の中では進展しない。吉村先生もザヒ博士も登場しない。登場するのは理数系の学者ばかりだ。一人だけ大槻教授の役割の教授も登場するけれど。(笑)

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