犯人の予想はついたが、伏線があちこちに張り巡らされているので読者はミスリードさせられてしまう。私の予想が的中したのも、たまたまかもしれない。
だが、この小説はどんでん返しで読者を驚かせることを目的としている安っぽいものではない。さほど意外な犯人でなくても読後感の充実ぶりはかなりのもの。プロット、筆力、構成力、いずれも申し分ない。登場人物たちの描写力も高く、感情移入ができる。
これがデビュー作とは驚いた。いくら新聞記者としての経験があったとしても。本国イギリスでは第5作まで上梓されているそうだから、翻訳が待ち遠しい。もっとも同じレベルを維持しているとは限らないけどね。
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