夜がはじまるとき スティーヴン・キング著

2010年3月31日水曜日

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スティーヴン・キングの最新短編集、夜がはじまるとき (文春文庫)

『N』
ラブクラフトのクトゥルー神話へのオマージュ作品。ラブクラフトはおどろおどろしい割には現実味がないのであまり怖くないのだが、キングの手にかかるとにわかに本当にありそうな話になる。

読んでいて自分の強迫観念が狂気に繋がる兆候なのかと怖くなったが、多くの人に程度の差はあれ、あるらしい。私は、寝る前に玄関が施錠されていることをさっき確認したのに、もう1度チェックしてしまうことがあることぐらいかな。

あ、もう一つ、輪郭を頭の中でなぞる癖があったな。例えば目の前に箱があったら、その縁を四角くなぞることを想像してしまうのだが、なんでそうしてしまうのかは自分でも分からない。ごくまれにやってる今はいいが、これを全ての物にやりだしたら、この短編に出てくるNと同じような感じでやばいかも。

『ニューヨーク・タイムズを特別割引価格で』
以前にも同じネタの短編を読んだことがあるような気がしなくもないが、こういう夫婦愛の話に私は極めて弱いので感動。読み終わると意味が分かるタイトルも良い。

『アヤーナ』
これは明らかに映画化もされた某長編(タイトルを書くだけでネタバレになる)と同じネタだが、謎を残したまま終わるところがまた良い。

『魔性の猫』
これは正直どうかね。一言で言えばドジすぎね?

『どんづまりの窮地』
キングが時々書く悪趣味な話。想像力が豊かな人は食事の前に読まない方がいいと思われる。

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