駄作としか言いようがなかった前作『四十七人目の男』で、スティーブン・ハンターは終わったと思った。
だが、その印象は、舞台が日本だったため日本人には粗が見えだけかもしれないとも思っていた。というか、そう信じたかった。
しかし、アメリカが舞台の本作『黄昏の狙撃手』を読んでも、その印象は変わらなかった。もうツッコミどころ満載で、ツッコミどころをご都合主義で肉付けしたような作品だ。
作者が心を入れ替えない限り、やはり「スワガ—」シリーズは終わったようだ。今年、アメリカでは「ボブ・リー・スワガ—」シリーズの最新作『I, Sniper』が出版されたので、そのうちに日本でも翻訳が出るだろうが、もう読まないぞ。
しかし、スティーブン・ハンターの「ボブ・リー・スワーガー」シリーズとその父親の「アール・スワガ—」シリーズは、以前は大変良い小説だったのに、いつからこのようないい加減な作品になったのだろう。
『四十七人目の男』の前の作品は、2004年に出た『ハバナの男たち』だが、それは面白い作品だったようなかすかな記憶がある。少なくとも腹が立った印象は全くないから、この5年の間に、作品の質が随分落ちたということだろうか。
作品の質が落ちたために読まなくなったシリーズものとしては、F. ポール・ウィルソンの「始末屋ジャック」シリーズや、クライブ・カッスラーの「ダーク・ピット」シリーズがあったが、残念ながら「スワガ—」シリーズも仲間入りだ。
シリーズものでも、作品ごとに質が多少上下することはあっても、一定のレベルの作品を出し続けている作家が多い中、このように極端に質が落ちる作家というのはどうなんだろう。もう惰性で書いているのか、十分に稼いでしまったからやる気を失ってしまったのか、質の悪い作品でも売れてしまうため慢心しているのか分からないが、元ファンとしては寂しい限りだ。
ところで余談だが、登場人物の一人が数独を好きだという箇所があるのだが、翻訳の公手成幸氏は、数独を知らないらしくスドクと翻訳していた。数独を知らない人ってまだいるんだなぁ。しかし、翻訳者としては手抜きだろう。プロならば、知らない単語は調べたほうがいいのでは。
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