本作「レポメン
読み終わるのに1ヵ月ちょいかかっってしまった。1日数ページづつの牛歩進行。決してつまらなくはないのだが、早く次のページを読みたい!という推進力には欠ける。いわゆる英語で言うところのPage-turner(読み出したら止められない本)ではないので、諦めが早い人は途中で読むのを止めてしまうだろう。
主人公の回想録となっているため、時代と場所がぽんぽん飛ぶところがイヤだという人もいるかもしれないが、よく練られている上手い構成なのでその点は気にならなかった。だが、未来で使われる固有名詞や単語が何の説明もなく、ためらいなく使われているところは、最近観た(ようやく!)スタンリー・キューブリック監督の「時計じかけのオレンジ」を彷彿させる。最後まで読むとなんとなくどういう意味なのか想像がつくようになってるが、やはりこれはどうも違和感があるし、とっつきが悪い一つの原因になっている。
もっとも、そんなことは些細な点であり、残り数十ページになるまで、大した事件が起きるわけでもなく、レポメンになったいきさつや過去4回の離婚話が語られるだけという進行の遅さが一番の原因であること明らか。短編小説にしたら小気味よい作品になったことだろう。後書きに、元々は短編小説でそれを長編に書き直したことが書かれていた。短編のままにしておけば良かったのに....。
エリック・ガルシアは、小型化した恐竜共が人間の皮をかぶって現代社会で隠れて生活しており、ヴェロキラプトルが私立探偵となって活躍するという奇想天外な発想の鉤爪シリーズ「さらば、愛しき鉤爪
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